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是正勧告の種類

そもそも労働基準監督官とは?

主に厚生労働省の各部局等・都道府県労働局・労働基準監督署に配置され労働基準関係法令に係る行政事務を行っていますが、労働基準関係法令違反事件に対して特別司法警察職員(司法警察員)として犯罪捜査を行う権限があります。

労働基準法第101条・労働安全衛生法第91条などにより、事業場に立ち入ったり、関係者への質問、帳簿や書類その他の物件の検査などを行ったりすることができます。事業場に立ち入るときは、特に通知する必要はなく、また、犯罪捜査が主体ではないことから、捜査令状の必要も無ありません(なお、特別司法警察職員として、家宅捜索・逮捕の際は警察と同じく裁判所が発行する令状が必要になります)。

なお、立ち入りの際は労働基準法第101条第2項の規定により身分を示す証票を携行しなければならず、事業場等から身分を明らかにすることを求められたときはこれを提示するのが通例です。

サービス残業・賃金不払・労災隠しなどの悪質な事案に対しては積極的に家宅捜索を実施していますが、専用の拘置施設を持たず、警察等の他の捜査機関との捜査共助協定も締結していないため、被疑者を逮捕・勾留することは年間数件程度です。

全国の年間送検事件数は、特別司法警察職員の中では海上保安官の次に多いのです。平成16年の送検事件数は1,339件(資料出所:労働基準法に基づく監督業務実施状況)。


労働基準監督署の調査の種類について

労働基準監督署の調査の種類については、次の4つがあります。

(1)定期調査
調査の大半はこの定期調査です。労働基準監督署が任意に事業場を選び出し、事前に調査の日程を連絡し、現地調査を実施します。

(2)申告調査
労働者が労働基準監督署に申告した情報に基づき調査を実施します。労働者からの申告はいわゆるサービス残業や長時間労働、不当解雇についての申立などが多いようです。

(3)災害時調査
一定規模以上の労働災害が発生した場合、実態を確認し原因を追究するために行う調査です。

(4)再監督
過去に是正勧告を受けたけれども、指定期日までにその指摘項目を改善されていない場合などに行われます。


是正勧告の具体的な事例と罰則については、次のとおりとなります。

違反事項 法条例等 罰則
労働条件を労働者に明示していない場合 労働条件明示義務違反
(労基法第15条)
30万円以下の罰金
(労基法第120条)
1日8時間または1週40時間を超えて労働者を働かせた場合 法定労働時間遵守義務違反
(労基法第32条)
6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
(労基法第119条)
36協定を労働基準監督署に届け出ていない場合 労使協定届出義務違反
(労基法第36条)
条文上罰則はありませんが、ただし、届出ていない場合には労基法32条違反となり、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
(労基法第119条)
残業代を支払っていない場合(いわゆるサービス残業をさせた場合) 割増賃金支払義務違反
(労基法第37条)
6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
(労基法第119条)
10名以上の労働者を雇用しているのに就業規則を作成していない場合 就業規則作成及び届出義務違反
(労基法第89条)
30万円以下の罰金
(労基法第120条)
労働者の健康診断を1年以内ごとに1回、定期に実施していない場合 健康診断実施義務違反
(安衛法第66条)
50万円以下の罰金
(安衛法第66条、安規第44条)
常時深夜労働に従事する労働者に対し、配置替えの際及び6ヶ月以内
ごとに1回、定期に法定の健康診断を実施していないこと
健康診断実施義務違反
(安衛法第66条)
50万円以下の罰金
(安衛法第66条、安規第44条)
労働者名簿を作成していな場合 労働者名簿作成義務違反
(労基法第107条)
30万円以下の罰金
(労基法第120条)

当対策室の経験及び調査によると、36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)の届出を怠っている場合やいわゆるサービス残業を日常的に行わせている場合が是正勧告の対象となることが多いようです。

特にサービス残業は2年間遡って賃金を支払うことになりますので、くれぐれも社内で法令順守(コンプライアンス)を徹底し、適正な労務管理を実行することが大切です。

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